本当に、そうでしょうか?
「いじめは、やられる方にこそ原因がある。」
私の娘は、いじめにあっていたそうです。
いじめと言っても、暴力的な行為などではなく、
無視や悪口、仲間外れなどで、
何か物を壊されたり、盗まれたりしたこともないそうです。
ただ、
毎日一人で食べるお弁当がつらかった。
休み時間が怖かった。
娘はそう言いました。
いじめの原因は、ささいなことだったようです。
入学直後から、いじめが横行していたそうで、
娘曰く、「入学初日にもう後悔した」とのこと。
最初にターゲットになっていたのは、
娘と出席番号が前後しているSちゃんという女の子でした。
からかわれたり、授業中にものを背中に投げられたり、
背中にごみを入れられたり、上履きをぬらされたりしていたそうです。
娘は、Sちゃんに積極的に話しかけました。
「自分が間に入ることで、いじめの雰囲気がなくなるのではないかと思った」
と言っていました。
しかし、いじめグループは、そんな行動が気に入らなかったようで、
娘に対する静かないじめが始まりました。
無視。
それは、とてもつらく悲しい時間です。
尊厳を失ったような悲しみと、恥ずかしさで、
だんだんと顔を上げられなくなって、
うつむくことが多くなり、笑う時間が少なくなって、そして…。
学校を辞めました。
追い詰められたそうです。
これ以上は、無理、というところまで。
逃げなければ、死にたくなっただろう
と言っていました。
無視されるというのは、
それだけで、そこまで人を追い込めるのです。
私は最初、学校を辞めてしまった娘を恥じていました。
自分自身をも、情けなく思っていました。
しかし、話を聞いていくうちに、
逃げてくれてよかった。自分を守ってくれてよかった。
つまらない常識にとらわれて、逃げ出さずに追い詰められて、
自分を終わらせてしまうようなことがなくてよかった。
そう思いました。
中退の事情などの話を聞けたのは、
娘が引きこもりになってしばらくたってからのこと。
それまでは、「高校中退」という事実が苦しくて、
娘のことも、自分のことも攻め続けて、
落ち込んでいました。
しかし、「高認」という目標を見つけたことで、
私達は前を向いて、お互いを受け入れる1歩を踏み出すことができたのです。
娘の話を聞けたのは、
私自身が、後ろばかり見るのをやめられたからだと思います。
「いじめはやられる方に原因がある」「高校中退は絶対にしてはいけない」
もし、そんな風に考えている人がいるとしたら、それはとても悲しいことです。
いじめにしても、高校中退にしても、
それには、いろいろな事情があるのです。
単純に考えて、つまらない判断を下してはいけないのです。
私は、今、我が子の選択に感謝しています。
いじめに加担せず、自分を守ることのできた我が子を、
誇りに思います。
あきらめない心さえあれば、
高校中退をしても、大学進学だってできるのですから!